コーポレート写真撮影
先日、企業の代表から直接「コーポレート写真」の依頼をいただきました。
株式会社 ZEN SLEAT(ゼン・スリート)
2023年7月に起業され、女性活躍推進のコンサルティング事業を手がけている会社です。
代表の横山由美子さんの経歴はとにかくアクティブです。
東洋英和女学院大学を卒業後「日本長期信用銀行」→「キャセイパシフィック航空客室乗務員」→「ムーディーズ・ジャパン株式会社」→「レクシスネクシス・ジャパン株式会社」を経て2002年より渡米し、2004年コロンビア大学国際関係公共政策大学院の修士号を取得した後、帰国後に「アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc」に入社され、直近4年間は日本のプレミアムカード会員様向けコールセンターディレクターとして350名のコンサルタントを統括なさった後、2023年5月に退社。
その2ヶ月後には起業されています。
これだけのキャリアを持たれたキャリアウーマンの横山さんからのご依頼は
「本人の 人となり が伝わる写真」
それをスタジオではなく、オープンでのグリーン背景で撮影したいとの要望でした。
しかもご自身で、すでにロケ先までをプランニングされていたのです。
今回のお声がけで直感的に感じたのは、撮影者でもあるカメラマンの私への期待値の高さでした。
「緑を背景にした自然の中で、本来の私を表現してほしい」
今までには会社案内などで企業の社長様や会長様を幾度となく撮影してきましたが、その多くは社長室でかしこまった威厳の感じる風貌の写真です。
今回の場合は「自分らしさ」を優先する内容なので、作り込んだイメージ訴求やパフォーマンスは必要ないと感じました。
そこで思いついたのが、コンサルティングをする彼女らしさを引き出す相手役の存在です。
コンサルティングをなさっている時と同じような環境を作ってあげれば、意識的な表情がより自然体になるのではないかと考えたのです。
この件は事前に横山さんへはあえてアナウンスをせず、撮影当日に彼女の話し相手として女性のアシスタントをお願いし、撮影現場に臨みました。
狙いはみごとに的中し、カメラの前で横山さんの表情は目まぐるしく動き出しました。
代表者としてビジネスの立場柄、バシッとしたスマイルの写真はすぐに決まるのですが、その後の目力に潜むプラスアルファがやはり違うのです。
アシスタントとのコミュニケーションの際、横山さんが説明役(アシスタントの質問に対して回答する)になる場合、表情はやや曇ります。それは頭の中が回転していてその反応が顔の表情として現れるのかもしれません。いわゆる考えている時の顔になってしまうのです。
逆に横山さんが話の引き出し役(アシスタントに対して質問する)になるとその表情は一変し、みるみるその眼差しは輝き出します。
アシスタントとの会話中にカメラマンの私も加わることで、横山さんの意識もアシスタントだけにとどまることはなくなり、より多くの表情を引き出すことができました。
撮影後、横山さんが選ばれた写真は周囲の関係者みんなが認める彼女のベストショットとなり、その写真は今後の横山さんのビジネスの看板になる写真となりました。
ご本人には大変満足していただけたようで、このブログ掲載にも快くご承諾をいただきました。
このような企業の代表から直接のオファーとその感想はとても励みになり、担当したカメラマンとしてもモチベーションが上がります。
今回の撮影を経て、企業様が必要とされる「コーポレート」の写真は、時代と共にどんどん変化しているように感じました。
「写る写真だけではなく内面が伝わる写真」
カメラや撮影、デジタルなどの技術力の前に、人の内面を引き出すテクニックの重要性をつくづく感じた案件でした。
横山さん、色々とありがとうございました。

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