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写真の扱い方



先日の2023年10月21日、アームホールはスタートしてまる25年が経過しました。

企業の寿命は30年と言われる中、零細企業としてもおかげさまで25周年を迎えることができました。

その1998年当時から比べれば写真界はめまぐるしいほど変貌し、フィルムは廃れ、印刷コストは下落し、まさかの写真納品が手軽で瞬時に電送できるまでになりました。

10年後の2008年ごろからはスマートフォンの普及で、その商品価値のモチーフとして使われた「デジタルカメラ」のおかげもあり、写真はどんどん生活の中へと浸透していくようになりました。

ガラケーと呼ばれた今で言う「フィーチャーフォン」の全盛時代、「mixi(ミクシー)」が先頭を切って SNS を開設したのは2004年、その後「GREE」や「Ameba」もセンセーショナルな存在として親しまれます。

そしてスマートフォンの普及により通信速度が如実に進化し、写真はとうとう時空を超えてあちこちで閲覧できるようになりました。

見たい内容のキーワードを入力すれば、いつでもどこでも誰とでも、写真がわんさか閲覧できる時代になったのです。


追随されるSNSの普及も手伝って、広告で使用される写真の扱い方も随分変わったように思います。

一般の消費者は、スマートフォンやタブレットなど携帯性のいい端末から情報を受け取ることが多くなり、それに合わせてか、広告主の広告のやり方も微妙に変化をしていきました。

今や写真は情報として扱われ、際立ちよく、見目麗しく、印象的な写真が次々と我々の視角に飛び込んでくるようになったのです。


さて、これだけ写真の量やスピードが激化した時代になって、広告写真として扱われる写真の需要も増えたわけですが、反面、本来 広告主が制作側に対価として支払うべき「写真の使用条件」に関しては、かなりルーズになったという案件が多いのも事実です。


・数時間で撮影された写真に対する対価は「時間給」扱いで、撮影カットは制限時間内で撮れるだけ

・トップイメージで使われるクォリティーの高い写真も、しっかりとした内容説明の写真も、ほぼすべてが素材扱い

・商品のイメージ訴求を助長させるモデルの版権は「日当」扱い、事実上の版権フリー

これはとある製造業の会社から、直接取引(メーカー直)にて請け負った際の「写真の扱い方」ですが、この条件では1枚1枚のテーマが明確な写真そのものに対する対価はなく、あくまでも「商品案件の情報提供」というようなスタイルでの対価になっています。


このような「写真の扱い方」に関しては、先に掲げたスマートフォンの普及により、デジタルカメラ機能の進化やネットビジネスによる情報伝達の速さ、SNSなどを介した自由な広告の配信環境など複雑な情報配信技術に助長され、そもそも我々プロカメラマンの評価や管理をされるべき「写真の使用条件に対する対価」というものが「1案件の作業費」として、短時間のうちにザックリと扱われることが多くなったのです。


そしてついに「AI」がデジタル画像をコントロールする時代に突入しました。

広告写真においては、もはや写真が1枚の写真として存在できる時代ではなくなってきているのかもしれません。

ただ

「アームホールはクリエイティブでリアルな写真を的確にお客様へご提供します」

という、私の25年前からのビジネススタンスは未だ変わりません。

► 素材として撮影した「写真を切り貼りして仕上げる」も良し

► 表情や体型の冴えないモデルのパーツを修正して「らしくみせる」も良し

► クロマキーを多用した「経費節減のビジュアル展開」をするも良し


これらの写真撮影の根源はまがいもなく「撮影のテーマ」であり、その制作工程が合成なのか変形なのか画像処理なのかは「目的への手段」であるので、本来のプルフェショナルカメラマンがビジネスをする「撮影のテーマ」ではないのです。


このように時代とともに写真に対する撮影の捉え方が変化をする中、プルフェショナルカメラマンの受け取る対価についても相当なブレが出てきています。

・時間内に撮影を終わらせる撮影のコーディネイトや技術力

・予算ありきでスタートするクライアント案件への絶対服従

・版権を抹殺してでも案件ごとに撮影を請け負う自転車操業的な持久力


上記は一般的な商業カメラマンの 性(さが)にあたる節ですが、これらすべての要因は昨今の「写真の扱い方」にあるのではないかと思うのです。


写真の版権は未だ管理体制が整わず、音楽に比べれば天と地との差があるように思えます。

写真は人間の五感(視覚)に訴えかける時間が一瞬であるため、次々目移りしていくものに対していちいち値段をつけていられないのでしょうか。

音楽には「JASRAC」という日本音楽の著作権協会が存在します。

音楽と比べればその存在感はまるで別物ではありますが、写真にも「JPCA」という日本写真の著作権協会があります。


ただ、この2つの協会の大きな違いは圧倒的に音楽の「JASRAC」の方がメジャーであり、様々な活用実績が多いということです。

写真の「JPCA」に関しては著作権に対する提言は多いのですが、52年の歴史があるにもかかわらず、いざその活用実績を見ればまだまだマイナーです。

我らプロフェショナルなカメラマンたちが世論に対して、どのようなスタンスでこの「写真の扱い方」をアピールしていくのかは、2023年以降もっともっと写真が進化をする今後の楽しみな部分でもあります。


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